愛玩動物看護者の倫理綱領

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一般社団法人 日本動物看護職協会

2020年1月制定

前文

 

 動物も人と同様に、自らの存在を尊重され、健やかな一生を送ることを保障されなければならない。しかし、動物たちは言葉を通して直接人に訴えることはできない。人は、動物たちは人に何を望んでいるかを常に考え、動物たちの願いに応えなければならない。
 愛玩動物看護者は、動物看護の専門職であり、愛玩動物の診療補助、看護並びに動物飼養者等に対する動物愛護および適正飼養の支援をする。
 一般社団法人日本動物看護職協会は『愛玩動物看護者の倫理綱領』を定めることにより、動物医療施設等における動物看護を実践する専門職の行動指針と動物看護実践を振り返る際の基盤を提供し、また、社会に対して愛玩動物看護者の責任範囲を明確に示す。

 

綱領

 

Ⅰ 動物に対する倫理と責任

  1. 愛玩動物看護者は、動物の生命と権利を尊重し、動物愛護と福祉の向上に努める。
  2. 愛玩動物看護者は、動物種の特性、行動を理解し、必要な援助を考え、普遍的愛情をもって動物看護を提供する。
  3. 愛玩動物看護者は、対象となる動物が危険な状況にあるとき、適切な動物看護の提供が阻害されている場合は、その動物の保護および安全確保に努める。

 

Ⅱ 飼養者に対する倫理と責任

  1. 愛玩動物看護者は、動物飼養者に対して誠意を持って対応し、信頼関係を築くよう努め、その信頼関係に基づき動物看護を提供する。
  2. 愛玩動物看護者は、動物飼養者の知る権利および決定権を尊重する。

 

Ⅲ 動物看護実践と責任

  1. 愛玩動物看護者は、業務上知り得た動物飼養者並びに看護動物の情報を保護し、守秘義務を遵守する。また、これを他者と共有する場合には十分な配慮のもと適正に管理する。
  2. 愛玩動物看護者は、自らの意思を持ち、自己の責任と能力を的確に判断した上で動物看護を実践し、自らの看護に責任を持つ。
  3. 愛玩動物看護者は、自ら学習を継続し、動物看護に必要な知識と技能の維持向上に積極的に努める。
  4. 愛玩動物看護者は、良質な動物看護を提供するために、動物医療福祉関係者等と協働する。
  5. 愛玩動物看護者は、動物看護に必要な基準に従い、それに基づく看護実践を通して専門的知識・技術の向上に努め、動物看護学の構築と発展に寄与する。

 

Ⅳ 愛玩動物看護者の社会に対する倫理と責任

  1. 愛玩動物看護者は、自らの品行を常に維持し、社会の信頼を得るよう努め、同時に良質な動物看護を提供するため、自己の健康保持と増進に努める。
  2. 愛玩動物看護者は、動物の看護とともに、人と動物の共通疾病に配慮し、人の健康並びに公衆衛生に貢献する。
  3. 愛玩動物看護者は、動物愛護および適正飼養の普及に努め、より良い社会づくりに留意し、環境問題について認識を深め、その改善に貢献する。
  4. 愛玩動物看護者は、一般社団法人日本動物看護職協会を通じて、愛玩動物看護者の社会的認知と評価を高め、動物医療と動物看護の発展に寄与し、人と動物のより良い共生社会の実現に貢献する。

 

附則:『愛玩動物看護者の倫理綱領』は5年毎に見直すものとする。

 

『愛玩動物看護者の倫理綱領』の解説は会員専用ページにあります


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